Ritsuko
Naito
若駒は遊び上手
みなさんが牧場の写真というと緑の草原や雪の中を走るシーンを思い描くと思います。しかし、それは発信するほうが意図して選んで出しているもので、実際は青草や乾草を食べている時間がほとんどです。
もう45年以上前、私は今井壽惠先生の事務所で先生が撮っていらしたフィルムの整理を行っていました。その時先生が「やはり、無理に追ってもらうとわかってしまうわね」とおっしゃったのです。若駒の走るシーンを取ろうと牧場の方に追ってもらったのだと言います。脇腹の筋肉が緊張して、ちょっと違和感があったらしいのです。それからは私も意識して、追うことをしないようにしています。
もちろん種牡馬の写真で走るシーンが欲しくて、追ってもらうこともありました。オグリキャップなどは、ちょっと気が乗ると止まらなくなり、こちらが心配になるほどだったこともあります。だから、できるだけ自然な本来の姿を撮るようにしています。
何度か牧場にお邪魔していると、馬がよく動く時間や瞬間がわかるようになり、その時に合わせて自分が動くようにしています。今年のお正月は雪が少なく、地面がコチコチに凍っていて、明け1才の若駒でもへっぴり腰で歩く始末でした。それでも、若駒たちは遊びを見つける名人です。今回は、そんな若駒たちの姿を紹介します。
2023.02.06 内藤律子
投げ草
本桐牧場では、4〜5日に一個大きなロールを放牧地に置きます。新しいロールを見つけると、若駒たちは競ってそのロール崩しに参戦するのです。登るもの、崩して転がるもの、参加せず見ているだけのものもいて、見ていて飽きません。
もちろん食べますが、本当に楽しそうなんです。なかなか絵にならず、苦労はしていますがね…。
棒遊び
放牧場で枝を見つけると、くわえて遊ぶ若駒をよく見かけます。仲間と取り合いになったり、こんなに大きなものをと感心するものまで、危なくなさそうならそのままにして見守ります。
雪浴び
1枚目と2枚目はウォーターリーダーで、1枚目の写真はサラブレッドカレンダー2月のものです。この年は一気に雪が降り、大きな吹き溜まりに若駒は大喜び。何度も何度も体をあずけていました。
3枚目はバスラットレオン1才時の写真です。2023年とねっこカレンダーの12月にもレオンが登場しますが、ゴロをうつのが大好きでした。
登ったり降りたり
平らな放牧地より、起伏がある放牧地の方が若駒が遊ぶように思います。川や水溜りがあれば水浴びし、冬でもその起伏が遊び場に。あまりそういう放牧地は少ないので、私は好んで撮影させてもらっています。