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初めてのお友達

 三嶋牧場・野深分場で、1月に誕生した2頭の子馬が仲よくなるまでを追いかけました。1頭はジアナズドリーム20(1月6日生、父ドゥラメンテ)、もう1頭はステラグレイス20(1月22日生、父シルバーステート)。どちらも女の子です。
 2月1日、2組の親子を初めて一緒に放牧。まず、放牧地に何か所か、牧草が盛られます。母馬の食用と、子馬のベッドとしてです。この手順は決まったものではなく、母子それぞれの性格や条件により、牧場のかたの判断で臨機応変に行われます。
 さて、ドリーム母は初産、ステラ母は3回目の子育てです。どちらの母が強いのか見ていると、ドリーム母のほうが強く、ステラ母を追い払っているようでした。それでも、日を追うごとに距離が縮まり、5日には同じ投げ草を食べるようになりました。
 母親たちのかたわらで、子馬どうしも互いに興味を持ち始めました。こんな時、私はできるだけ存在を消して、じっと見守ります。
 どちらかというと、ドリームのほうが甘ったれで、母さんにべったりです。一方のステラは、ベテラン母さんが自由にさせて、のびのびと動いています。
 ステラは、ドリーム親子が気になって仕方がありません。ドリーム母に威かくされても、めげずに近づいて行きます。最初は母の後ろに隠れていたドリームですが、そのうち自分から、ステラに近づくようになっていきました。
 2月10日。投げ草を食べる母のそばでドリームが寝ていると、いつものようにステラがやって来ました。おしゃべりを始めた娘たちを残し、そっと離れて行くドリーム母。この行動は初めてです。
 しばらくすると、ドリームは母さんがいないことに気づき、母馬の元にダッシュしていましたが、こうして子馬だけで過ごす時間が長くなっていくのですね。
 さまざまなドラマが繰り広げられる出産シーズンは、いよいよ本番を迎えようとしています。

2月15日 内藤律子

ジアナズドリーム20&ステラグレイス20

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一緒に放牧した初日。牽制するドリーム母子(こちら向き)に、ステラ母子(手前)は、たじたじです(2020/2/1撮影)

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左・ステラ、右・ドリーム。子馬どうしの接近に緊張感が高まります(2020/2/3撮影)

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ドリーム母(左)に耳を絞られながらも、あいさつをするステラ(2020/2/4撮影)

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仲よくなりたいステラ(左)が、ドリームに近づくと…(2020/2/5撮影)

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「もう!あっち行って!」。ドリーム(右)は、なかなか心を許しません(2020/2/5撮影)

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ステラはあきらめずに、毎日ドリーム母子(左)の元に通います(2020/2/7撮影)

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この日も母馬にあいさつした後、ステラ(中央)はドリームにつきまとっていました(2020/2/8撮影)

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すると、ドリーム(右)が自分から、ステラにタッチしたのです(2020/2/8撮影)

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次の日、いつものように訪れるステラ(左)を、ドリームは母の前に出て迎えました(2020/2/9撮影)

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友達への1歩を踏み出したドリーム(左)と、喜びはじけるステラ(2022/2/9撮影)

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今はまだぎこちないけれど、生まれて初めてのお友達になれそうです(2020/2/10撮影)

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母さんたちも安心して、食事に専念できますね(2020/2/10撮影)

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