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男の子、女の子

 初めて子馬を意識して撮影したのは、ハギノカムイオー(1979〜2013)でした。競馬報知という競馬週刊誌の依頼によるもので、朝の放牧から夕方の集牧まで、2〜3日ずっと見続けていたものです。
 そのとき、特に印象に残った光景があります。カムイオーは身体は小さいのに、大きい男友達には果敢に立ち向かい、対等に遊び回っていました。ところが、女の子にはからっきし弱く、蹴られても耳を絞られても、そばでじっと耐えているように思えたのでした。
 それ以来、子馬がオス・メスを意識して行動しているように思えてならないのです。ですから私も、子馬どうしの遊びのショットを撮る時は、男の子同士か、女の子同士か、それとも男の子と女の子か、気にしながら追いかけています。

 一番動きがあるのは、やはり男の子同士。いわゆる相撲をとったり、追いかけっこをしたりして飽きさせません。

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立ち上がって押し相撲をする1歳。迫力があります。

クライマックス(左)とスワーヴゾロ(2019/1/22撮影)

 女の子同士だと、お互いにかゆいところを掻き合ったり、けんかの時は蹴り合いが多いかなあ。

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女の子は、あいさつがわりのように掻き合いをしています。メイショウグレア20(左)とグリーンダンディ20(2020/4/16撮影)

 そして、男の子と女の子の場合は、女の子の気性やその時の気分により、いろいろです。つまり、女の子しだい。

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女の子(右)の動きに固まる男の子。きつく絞った耳から緊張が伝わってきます。ベットオール♀(右)とロレンツォ(2018/12/20撮影)


 子馬同士の関係を見て、こんなふうに感じているのは私だけでしょうか。下に載せた写真も参考にして、子馬の社会を観察してみてください。
 今は、私への好奇心の度合いなども考慮しながら、子馬と向き合い撮影している日々です。

8月1日 内藤律子

子馬の社会

●男の子&男の子

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毎日いっしょに遊び、絵になる男の子たちでした。ウォーターナイト(奥)とソイカウボーイ(2015/8/23撮影)

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いま、両馬とも大井で走っています。まだまだ勝負はこれからですね。ピュアオーシャン(左)とサワヤカプリンス(2017/8/2撮影)

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右の馬は初子で小さかったけれど、負けてはいませんでしたね。バスラットレオン(右)とクライマックス(2019/1/23撮影

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上の写真の続き。クライマックス(手前)は、この日はバスラットレオンにやられっぱなしでした(2019/1/23撮影)

●女の子&女の子

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お互い、お母さんのまねをして掻きっこです。ステラグレイス20(左)とジアナズドリーム20(2020/2/14撮影)

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女の子同士でも、気の合う子、合わない子がいます。アメリカンドミンゴ20(左)とギンザボナンザ20(2020/6/5撮影)

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どうするのかと見ていると、左の子は自分も眠かったみたい…。ハロウィンパレード20(左)とグレイスフラワー20(2020/6/6撮影)

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離れぎわの一撃!ギンザボナンザ20(左)とグリーンダンディ20(2020/4/17撮影)

●男の子♂と女の子♀

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彼氏がおとなしいのをいいことに…。ロレンツォ♂(左)とベットオール♀(2019/1/3撮影)

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上と同じ日の2頭です。あらまあ、今度は彼氏にべったり。遊んでほしいのかな。ベットオール♀(左)とロレンツォ♂(2019/1/3撮影)

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男の子(奥)は何もしていないのにね。ウォーターエナン20♀(手前)とウォーターラボ20♂(2020/5/19撮影)

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上の2頭の別の日の1コマ。今日のご気分は?と、ラボ20♂(奥)がエナン20♀の様子をうかかがっています(2020/5/20撮影)

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男の子が理由もなく怒られるのは、子馬の社会でもよくあることです。メイショウクローバ20♀(左)とキャッチザカクテル20♂(2020/5/19撮影)

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機嫌直してよね、とすり寄るいたいけな男の子(左)。リキサンピュアティ20♂(左)とニシノブルームーン20♀(2020/7/9撮影)

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