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デジカメと子馬達

 2010年、アガ・カーンスタッドより、牧場での種牡馬、繁殖馬そしてイメージ写真の依頼をいただきました。アガ・カーン殿下の馬主生活70周年の記念誌を作るというものです。同スタッドからの三度目の撮影依頼にして、初のデジタルカメラでとの指定。私はデジカメを使ったことがなかったので、急いで札幌の富士フイルムイメージングに出向いて特訓しました。そして、いざフランス、アイルランドへ。おかげで撮影をやり遂げ、写真を表紙に使っていただきました。その記念誌の一部をご紹介します。

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ザルカヴァ親子。逆向きバージョンを希望され、1週間撮影を延長しましたが、残念ながら撮れませんでした。

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ダラカニの立写真は、担当者に着替えてもらって撮りました。

 それからはデジカメひとすじ、不器用な私には、フイルムカメラと両方を使いこなすことはできませんでした。
 同じ頃、2009年にオグリキャップカレンダー、10年よりサラブレッドカレンダーを作り始めていました。使用したデジタルの写真の数は、13年1点、15年4点、18年、19年8点、そして20年には10点と増えていきました。
 そんな15年、シャイニングサヤカの子馬、ソイカウボーイと出会ったのでした。初子ということで小さいのですが、動きが小気味よく、愛嬌もあり、私はすっかりこの子馬の虜になってしまいました。ほとんど毎日牧場に通い、天気が悪く撮影できない時も見に行きました。
 何を考えているのだろう? 何するつもりなのか? その時はどう動くのだろう? 子馬の気持ちになって考えると、飽きることのない時間でした。お母さんとの関係も優しかったよね。いい友達もいたし、たくさんのカレンダー用の写真を撮らせてもらいました。

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コミカルな表情、しぐさ、見飽きませんでしたね〜。2018年とねっこカレンダー4月より「気になるあいつ」(2015/4/27撮影)

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母さんの周囲をくるくる、疲れを知らないように駆けていました(2015/4/27撮影)

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一丁前に背伸びして、母さんと掻きっこしてたね(2015/6/4撮影)

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気持ちよかったね。私も一緒に寝ていたよ(2015/6/12撮影)

 フィルムと違ってデータだと、子馬ごとに整理がしやすいので、今では毎年100頭以上の子馬の成長を追いかけています。しかし、どの子馬でも絵になるわけではなく、また私の好みも入り、ついつい偏ってしまいます。
 そういう中で、バスラットレオン(先日のNHKマイルは残念!)に出会いました。19年サラブレッドカレンダー4月「母さん大きいなぁ」のモデルです。この子も小さいのに、大きな相手に向かっていくガッツがありました。

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母さんが止まってくれなくて、2本足でついて行ったよね。2019年サラブレッドカレンダー4月より「母さん大きいなぁ」(2018/5/8撮影)

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あらあら、母さんの耳。ヤンチャぶりに手をあましているみたい(2018/3/29撮影)

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左がレオン。2か月早く生まれた友達にも物おじしません(2018/5/2撮影)

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手前がレオン。遊び方もジャンプアップ、生傷が絶えませんでしたね(2018/6/6撮影)

 サラブレッドカレンダーと並行して14年より、とねっこカレンダーも作り始めました。もともと、13年に亡くなったハギノカムイオーへのレクイエムとして作ったものです。正直、続けられるとは思っていなかったのですが、写真に一言コメントを添えたのがよかったようで、好評をいただいています。
 21年はカレンダーの製作を見送りましたが、もし2022年版カレンダーが作れるのなら、ガロアクリーク、マスターフェンサー、バビットなどの写真を予定しています。私の限られた撮影牧場で出会った子馬達、とても魅力的です。少しご紹介します。

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ガロアクリーク(右)。おっと、スマイリーの母さん、ご機嫌斜めだったね(2017/6/9撮影)

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ガロアクリーク。雪が深くてもへいちゃら、一気に駆け上がるぞ〜(2018/12/13撮影)

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マスターフェンサー。小さな頃は母さんにべったりだったね(2016/2/26撮影)

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バビット。「お乳ちょうだい」と母さんにアタック。

「止まってくれ〜」と前足が言ってます(2017/5/17撮影)

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バビット(手前)。ロードベイリーフを誘って、もうひと暴れ。(2017/6/28撮影)

 現在、2022年版サラブレッド&とねっこカレンダーを作るための、クラウドファンディングを計画しております。皆様のご協力、そしてアイデアをいただければと思っています。よろしくお願いいたします。

5月18日 内藤律子

あまりに動きが速く、デジタルカメラだから撮れたショット。からだの伸縮にビックリ(2015/4/25撮影)

マスターフェンサー(右)。ダノンバリアントとはいつも一緒、写真もたくさんあります(2016/3/24撮影)

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